2011年09月12日
ちいさな哲学者たち
とても興味深いフランスのドキュメンタリー映画を拝見して参りました。
セーヌ地方のZEP地区
ZEPとは、小学校、中学校、高等学校で
教育の成果が上がりにくい地域、教育優先地区のことだそうです。
そこにあるジャック・プレヴェール幼稚園は
3歳から5歳までの2年間の幼稚園生活で
哲学の授業を設けるという画期的な取り組みが行われていました。
その授業を受け持つのは
パスカリーヌ先生。
月に数回、ろうそくに火を灯し、こどもたちと輪になって
色々なテーマで話を進めていきます。
『愛ってなあに』
『豊かってどういうこと』
『自由ってどういうこと』
『死ぬのは恐い』
先生の問いかけに
初めは、戸惑い、意見もたどたどしく、
退屈してあくびをする子供、
ウトウト居眠りをしている子供
1年目は、先生にも迷いがあり、試行錯誤の状態でした。
しかし、2年目に入ると
先生が中心ではなく、
幼い彼らが、頭をめぐらせて、
その日のテーマについてたくさん考え、語り始めます。
そして、
お互いの言葉に刺激を受けて、
相手の話しに耳を傾け始めるのです。
途中で話しを横取りする子供に対して
『聞いて! 僕が話しているんだから』と言います。
相手と違う意見だったとしても
それを受け入れる余裕もでてきます。
先生とではなく
子供同士で話をすることで
自分の言いたいことを相手に伝えるために一生懸命工夫をする姿は
『偉い

無邪気な様子に微笑まされるだけではなく
子供たちの思考の発達に驚かされます。
卒園の時に先生が子供たちに
『哲学するってどういうこと?』の問いに
『脳を使うこと~~』
『考えるのが好きだから、哲学が好き』
『先生のこと、ずっと忘れないよ』
優れた教師への褒め言葉に、
ジ~~ンとしました。
考える力を養うことは
教育の原点かな~なんて思いながら
久しぶりに真面目な雰囲気で帰宅した薫子でした。
次回、Rくんに会ったら
(この人も、哲学してますね↓) いつも以上にコミュニケーションをとってみようと思います。
小さな哲学者たちのアトリエは、こんな雰囲気です
フランス語の響きって、心地いいですね

